乳がんと告知された時は、今でもはっきりと思い出せる。
自分の順番が回ってくるまで待合室で座っていた時の心境とか、診察室に入った時の空気感とか。
siji-milife.xyzそれだけ私にとってショックな出来事だったんだろうけど。
肺転移した時も、そらぁ落ち込みました。
あぁ、私、逃げ切れなかったんだ。
とうとう捕まってしまった……
そんな感じでご飯が喉を取らなくなってしまったっけ。
でも、その落ち込みは乳がんだと告知された時より長く続かなかったし、落ち込みはしたけれど、テンパったりしなかったのよね。
乳がんだと告知された時は、そらもう動揺が凄かった。
仕事では簡単なミスを連発してたし、何でもない時に涙が出たり。
おひとり様なので親に心配かけられないし、しっかりしなければと踏ん張っていたつもりなんだけど。
やっぱり、心ここにあらず。
今振り返ると凄く動揺してたんだな～と、ちょっと笑ってしまう。
一番すごいなと思った失敗は、乳がん告知後に友達と映画を観に行った時のこと。
映画のチケットを買った後に私が預かったんだけど、それを失くしちゃったんだよね。
いや～、券売機でチケットを買った直後、友達が飲み物を買いに行ってくれたのよ。
で、私が二人分のチケットを預かったんだけど、その後どうしたか全く覚えてないの。
友達がドリンク二つ手にして戻ってきたところで、私は自分の手からチケットが消えているのに気づくわけ。
慌ててポケットやバッグの中を探すけど、どこにもない。
というか、バッグにしまった記憶がないぞ～。
青ざめてあっちこっち探したんだけど、チケットは見つからず。
ゴメン！ 私、失くしたみたい。 買いなおすね！！
慌てて再び券売機に並ぼうとする私を止め、友人が念のために映画館のスタッフさんに聞いてみてくれました。
そしたらね、あったの。
ちゃんと拾った人が届けてくれたの。
「もう、何やってんの？」って友達は笑ってくれたけど、私は笑えなかった。
自分で思ってるよりも乳がんと告知されて動揺してるって、気付いちゃったから。
それくらい、やっぱりショックなことだったんだよな。
ちなみに肺転移した時はそういう失敗はなかったから、年取ってある程度耐性ができたのか、多少覚悟はあったのか。
何十年も先に、あの頃はちょっと大げさだったな。
なんて笑えるくらいになってればいいな。
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