しじーみらいふ

特に劇的なことは起こらない乳がん再発ブログ

心の中で応援歌を歌いながらMRIに挑んだ話。

私は一時期とあるゲーム実況者グループ(?)にハマり、彼らの動画を漁って見まくっていた。動画を見まくるようになったのは、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の影響で夜もまともに眠れず、痛みから少しでも気を逸らせたかったから。
自分が興味のあるジャンルだけを延々と見られる動画サイトは、当時の私にとっては救いだった。

ちなみに私は乳がん再発治療中だが、今までの体験の中で椎間板ヘルニアで味わった足の痛みの絶望感は、乳がん再発を知った時を上回る

強い痛みがあるってそれくらい辛いのよ~。
もし今この記事を読んでいる人で坐骨神経痛に苦しめられている人がいたら、痛み止めが上手く効き、早い回復を心よりお祈りしたい。

話しを戻しましょう。

私が坐骨神経痛で苦しんでいた時、私の心の拠り所であったゲーム実況者グループの動画では、毎回動画の終わりにHeartbeatさんの『Fire』という曲が流れていました。

自分を鼓舞するような歌詞と、力強い曲に声。
聴いた途端に好きになってしまい、即iTunes Storeで曲を購入し、何度も何度もスマホで繰り返し聴く日々。

運命を変えてみたいのよ
目を覚ませ引き返せないんだから
ぶっ放して作れプランB
変わらない目的は一つだけ

この歌詞を聞くたびに『そうだよ、運命を変えてみたいよ。いや、変えてやる! プランB、ぶっ放してやる!』と自分を鼓舞し、同時期ハマっていた『ゆるキャン△』に憧れ、今を耐えて来年は絶対グランピングする!とベッドの上で両手を強く握りしめていました(笑)

そんなある日、私は坐骨神経痛で通院していた整形外科でMRI検査を受けることになりました。
レントゲンと問診、触診で坐骨神経痛だろうと言われていたのですが、私は乳がん患者で骨転移している可能性もあるので、きちんと検査しましょうと言われたのであります。

MRI検査と聞いて、私は青ざめました。
何故なら当時、私は坐骨神経痛の影響で仰向けで寝ることが出来なかったのです。
横向きでも足を延ばす事が出来ず、いつも痛みが出てる右側を上にして芋虫のように丸まって眠る……いや、やっとウトウトするような日々。
整形外科医の「MRI検査しましょう」は、私にとって地獄の響きでした。
思わずMRI検査しないと駄目ですか?」と聞き返してしまったのですが、小柄で可愛らしい女性の整形外科医はMRIを撮ってみないと、原因がハッキリしませんから……むしろしじーみさんの場合は原因をハッキリさせた方が安心でしょ?」と微笑んだ。
分かる、分かるよ、もし椎間板ヘルニアじゃなく骨転移だったら、治療方法が変わってくる。きちんと検査をした方がいいに決まってる。

でもさ、でもね? MRIって確か仰向けじゃないと検査できないんじゃなかったっけ?

私、仰向けになれないんだけど!?

もしかしたら仰向けにならなくても検査できる方法があるのかと思い、私は仰向けになれないことを整形外科医に伝えました
すると「あー、そうですよね。でも検査には仰向けにならないとできないんですよ。でも、真っすぐ足を伸ばせない人の為に膝の裏に台を置いて膝を立てたままで検査は受けられるので、検査日までに練習してみて下さいね」とニッコリ。
いやいやいや、練習してどうなるもんじゃないでしょ!?と思ったものの、原因をハッキリさせるためには検査を受けるしかない。ちょっと前に抗がん剤の効果をみるために行ったCT検査は、なんとかなったんだもん。今回も何とかなる。

やるしかない!

「ちなみにMRIって検査時間はどのくらいかかるんですか?」と恐る恐る訪ねてみると「そうですね、大体30分くらいでしょうか?」という答え。
CT検査は人によるんでしょうが、私の場合はいつも5分くらい。

ダメだ。

MRI検査、やれる気がしない。

そう思いながら、私はMRI検査を受けることに同意したのでありました。

さて、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の影響で仰向けに寝れない私は、整形外科医の言葉通り、MRI検査日に向けて検査が受けられるように毎日お家で仰向けになって検査を受ける練習したよ。

もちろん真っ直ぐにはなれないので、膝の裏にクッションを置いて膝を立て、どういうポジションだとより長く仰向けになっていられるか研究しました。この時も『Fire』をリピートして聴きまくり、今日は4曲分我慢できたとか、今日は2曲分しか駄目だったとか、それで自分がどのくらい耐えられるのか目安にもしてました。
スマホのストップウォッチ機能で時間を計るというという手もあるけど、それだと痛みが気になって仰向けになってられないんですよね。
でも曲を聞きながらなら、気が紛れて頑張れる。
『Fire』を聞きながら痛みで折れそうな心を鼓舞し、検査に備える日々。

その間、一応ネットでMRI検査のことも調べてみました。

整形外科医には検査に30分かかったと聞いたが、体験者の記事を読むと検査する部分が一か所なら大体15分から20分ほどで終わるらしい。

それで私は思った。

検査時間が15~20分なら、『Fire』を心の中で5~6回繰り返して歌えば検査終わってるんじゃね?『Fire』を5~6回歌ってる間に検査が終わるんなら、何とかなるんじゃね? と。

今振り返ると何を馬鹿なことをと苦笑いだが、当時の私は大真面目。
『Fire』は3分ほどの曲。それを5~6回心の中で歌っているうちに検査が終わるならやれる!と本気で思い、変な自信をつけてたお陰で心が少し軽くなったのである(笑)

そうして迎えたMRI検査当日、私は本当に心の中で『Fire』を歌いました

相変わらず数分も足を延ばして仰向けになれない状態だったけど、検査前に服用した痛み止めと、技師さんが用意してくれた膝を立てられる台と、検査日までに繰り返した練習で習得した痛みの少ない体制のお陰で、検査を乗り切ったのである。
そして『Fire』を5~6回心の中で歌えば検査が終わるという心の余裕がパニックを起こさず、検査を終えることができたのである。

MRI検査は丸い筒状の中に閉じ込められて行われる。

閉塞感が半端なく、閉所恐怖症の人は事前に鎮静剤を処方されるくらいなのです。
私は閉所恐怖症ではないけれど、強い痛みを感じている時に狭い場所に閉じ込められれば、やっぱり気分は悪くなると思う。
しかも騒音も凄い。
一応ヘッドホンを渡され、リラックスできるような音楽が聴けるようになっていたが、検査が始まった瞬間、ほぼ聞こえない。
そしてMRIの中は技師さん曰く『電子レンジの中みたいな状態』で、検査が始まると全身が温かくなってくる。人によっては冬でも薄っすら汗をかくくらい温かくなったりするらしい。

そんな状態で、私はhertbeatさんの『Fire』を熱唱した。

心の中で。

確か7回目を歌ってる途中で、検査が終わった。あの時の達成感は半端ない。MRIは途中でストップさせてしまうとまた始めかやり直しらしいので、無事に終わって心底ホッとした。

検査着から私服に着替えた時に時計を見ると、20分程経過していた。
多分検査は15分くらいで終わったんだろう。
この無理かもしれないと思った時に『Fire』を聴き歌ったら上手くいった経験により、私はここぞという時に『Fire』を聴いたり歌ったりするようになった。

何かにチャレンジする時、自分を励ます時、Heartbeatさんの『Fire』に助けられている。

今年の初夏に受けた肺の手術前日の夜、ベッドに横になりながらイヤホンをして『Fire』を聴いた。

きっと知ってる人は沢山いる曲だと思うけど、何かにチャレンジする時やここ一番の時に自分を応援してくれる曲なので、聴いた事のない人は是非聴いて欲しい。